YouTube市場の中で市民権を得たバーチャルYouTuber=VTuber。アプリやソフトウェアの発達により、法人でなくても一般ユーザーが手軽にVTuberを作成できるようになりました。今回はVTuberのアバター作成ツールや、どのような動画作りがなされているかについて、事例とともに紹介いたします。
記事の目次
VTuberの肝・キャラクター作成について
表情豊かな動きをするVTuber作成には、PCを用いるのが一般的です。
現在はスマホ1台でアバター作ができるアプリはあるものの、PCのほうが自由度が高く、細部までこだわって作り込むことができます。
例えば、VTuberに欠かせない表情作り「フェイストラッキング」はWebカメラとソフトを用いることで、アバターと人間の表情を細かく同期できます。また、モデリングや細部(髪の毛、アクセサリーなど)の作成ができるソフトもあり、細かいディティールをカスタマイズできるのがメリットです。
①【PC向け】アバター作成アプリ2選
では続いて、実際にVTuberモデル作成するにあたって、使いやすいソフトウェアを紹介します。ちなみにVTuber界隈では、バーチャル世界に自分の2D、3Dのアバターを作ることを「受肉」という言葉を使います。
【1】FaceVTuber
このアプリは、Google ChromeのブラウザとWebカメラさえあればすぐにVTuberを作成することができるサービスです。細かな設定はなく、Webカメラと同期し、録画録音が可能です。モデルは「キズナアイ」や「ミライアカリ」など人気VTuberの3Dモデルが用意されているので、FaceVTuberで人気キャラクターを自由に動かせます。自作の3DモデルでもOKです。※対応している3Dモデルの形式はMMD形式(pmd,pmx)、FBX形式(fbx)、VRM形式(vrm)のみです。
【2】Hitogata
このサービスは無料で使用することができるもので、Webカメラの有無に関係なくVTuberを作成できます。Webカメラを使用しない場合は、メイキングしたアバターに対して「モーション」という既存の動きを支持することで動きをつけられます。Webカメラ有りの場合は、顔をキャプチャ―するとアバターが人間の動きに合わせて滑らかに動きます。作成した3Dモデルは保存できます。
Hitogataサイトへ
②【スマホ向け】アバター作成アプリ4選
では次に、スマートフォン向けのVTuber作成アプリを紹介します。
【1】ホロライブ
デフォルトで4人のアバターが入っています。髪色や瞳の色をカスタマイズでき、Mirrativアプリ(配信アプリ)もダウンロードすればVTuberとして配信できます。キャラクターカスタマイズの自由度は低めです。
▼ホロライブをダウンロードする
iOS
ちなみにホロライブは個人向けにVTuberを提供し、活動を支援するサービスも行っています。より本格的なデビューをしたい方は応募してみてください。
▼ホロライブのVTuberに応募する
ホロライブ公式サイト
【2】パペ文字
こちらは、iPhone X限定のアプリです。
パペ文字は、アバターを選択しカメラで自分の姿を撮影すればリアルタイムで表情、手などのモーションを同期できるアプリです。もちろんYouTube上で動画配信を行うこともできます。ボイスチェンジ機能もあるので、アバター作成の一連の流れが一つのアプリで完結できます。アバターは顔だけを隠すタイプもあり、VTuber以外にも匿名性の動画コンテンツが作れそうです。
▼パぺ文字をダウンロードする
iOS
【3】Vカツ
VカツはVTuberモデルの製作コストを大幅にカットできるサービスで、アバターメイキング、カスタマイズ、フェイストラッキングまでを無料で行うことができます。
ARモードもあり、作成したアバターを仮想世界の中で躍らせたり、ポーズをとらせたりできます。メイキングはかなり細部までこだわれるので、理想のキャラクターが作れるでしょう。
▼Vカツをダウンロードする
iOS/Android
【4】REALTY
VTuberの配信を毎日チェックできるほか、自分自身でVTuberを作成して簡単に配信できるプラットフォームサービスです。
高度な技術がなくても、これらのアプリを使えばすぐ2D、3Dキャラクターを作成でき、そのまま配信もできます。
▼REALTYをダウンロードする
iOS/Android
③基本的な作成の流れ
VTuberモデルを作成する際、まず最初に決めるべきことは、既存モデル(アバター)を使用するのか、それとも全くのオリジナルモデルを使用するのかです。
既存モデルを使用する場合でも細かなディテールを変更して(キャラクターカスタマイズ)個性を出すことは十分可能です。
では、VTuberモデルの大枠を考えたとして、次に必要なのはモデルをどこまで作り込むかです。上半身より上のみのモデルを作るのであれば、Webカメラを用いて撮影した像を取り込めば、比較的簡単に作成することができます。モデルを作成した後、いよいよモデルに動きをつける段になります。ここでは、フェイストラッキングや、モーションキャプチャによって動きをつけていきます。
最後に、モデルを使って実際に動画を作成します。この動画の作成方法は、動画の種類によって全く異なります。例えばライブ配信の場合、表示されているVTuberと背後のゲーム画面は単純に重ね合わせて表示(クロマキー合成)されているだけです。
④VTuber起用の動画作りの参考例
現在、VTuber界隈は非常に盛り上がりを見せており、日々新しいVTuberが登場しています。2018年3月段階で約1,000人だったVTuberは、同年12月には6,000人を突破しています。そのため、よほど動画作りに力を入れなければ、日々新キャラが登場するVTuber界隈で埋もれてしまうことが十分考えられます。では、成功しているVTuberの事例を見ていきましょう、
ゲーム配信系「Siro Channel」
https://youtu.be/jZD67vuqfB8
ゲーム配信系で根強い人気を誇るのが「Siro Channel」です。人気VTuberであるの電脳少女シロのチャンネルで約60万人の固定ファンがいます。キズナアイ同様にVTuberの黎明期から存在している先駆者。ふわふわとした大人しい印象のキャラクターですが、ゲーム実況中はなかなかコミカルに動き、よくしゃべるので見ていて飽きません。実況ゲームはFPSやパズルゲーム、RPGなど幅広く取り上げており、しかも「うまい」のが特長。これは中の人の腕前でしょう。また、精度の高い3Dモデルのため、踊ってみた系の動画もあり、さまざまなコンテンツとVTuberをかけあわせています。
考察系「ユイの研究室」
https://youtu.be/IGPqP5NuFEg
マンガの考察系で有名なのが「ユイの研究室」です。このチャンネルは、作成者が好きなマンガの伏線や謎を丁寧に解き明かしたり考察を行うチャンネルです。VTuberが前面にでている動画と違い、じっくりと特定のマンガを考察していくコンテンツです。考察自体はかなり細部まで見られているので、マンガのファンにとって読み応え抜群です。画像や文字がゆっくり切り替わっていくテキスト動画のようなタイプで、最初から最後まで視聴し続けないと内容がわからない設計になっています。マンガのファンとVTuberのファンを囲いこんでいて、チャンネル登録者数は7万ほどいます。
まとめ
VTuber界隈が一種のバブルの様相を呈しており、その差別化には並々ならぬ努力が必要です。「美少女キャラ」「イケメンキャラ」というビジュアル的なことも必要ですが、動画コンテンツの企画をよく練り、集客・収益を上げる仕組みづくりを目指しましょう。
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